ゆうきさらのほんよみにっき@はてブロ

はてなダイアリーから引っ越しました。ゆうきさらが読んだり見たりしたものを気ままにつづります。

「いんぷろby拡樹VI」2018年9月9日1部感想@よみうりランド

さて、今回、9/8大阪からの9/9東京というなかなかな観劇ハシゴツアーだったんですが。2日目は鈴木拡樹FCイベでもあり、所属事務所オウサムの設立記念イベントでもある即興劇。

 

 今年の頭に鈴木拡樹FCに入会して、実は一番観たかったのが、この即興劇のイベントで。

個人的にまだ即興劇を観たことがなかったので、果たしてどんなものかと楽しみにしていた&今年から即興劇オンリーでチェキ撮影イベントがなくなったということで安心して応募したんですが(いや、基本的に遠くで観ていたい人なので……)、スケジュールの関係で1公演だけ観てきました。

 

 開演前に観客にペーパーを渡してお題を書いてもらい、ペーパーをくじ形式で引きながら、テーマに沿って即興劇を行うインプロヴィゼーション。演者の機転と演技力が試される結構大変なものだと思うんですが、これがまあ偶然性と咄嗟の発想とが噛み合った時に奇跡のような面白さになるんですね。とにかく笑いすぎてお腹が痛くなるくらい。

 

 プロの役者さん2名と、鈴木さん、そしてオウサムの若手二人と11歳のニマくんの6名でコーナーに分かれて展開していくんですが、個人的に印象が深かったのが「取り調べ」という即興劇。

 

 鈴木さんが犯人役なんだけど、何をやって捕まったか、どういう人物か、というのは最初の時点でペーパーを引いて決めていく。

 司会を兼ねている役者の矢野さんが警察官の役。

 鈴木さんは最初、どこかオドオドした感じの若者を演じているんですが、二人がペーパーを引いて出てきたお題が「富士山」「見えるか!?貴様の火遊びとは一味違う魔を秘めた本当の炎術が…邪眼の力をなめるなよ」(多分)「ウォンバット」「仮面ライダー」「秘密」などなど。本当にとりとめないし、出る順番もめちゃくちゃで、ペーパーを読んだ瞬間から面白いんだけど、鈴木さんはそこから若者に「飛影のコスプレで撮影のために富士山へ」という設定をどんどん上乗せしていって、矢野さんも「ウォンバットが暴れて人に怪我をさせたから一億円支払え」、と展開させていき、最終的に若者が「仮面ライダーとハリウッド映画に出演が決まって1週間後にお金が用意できるから、それまで待って下さい」でオトす、という、物凄く意外で面白いオチになっていったのが結構な衝撃で。

 うまく説明出来ないのがもどかしいんですが、出た瞬間の発想は嘘がつけないから、演者の想像力と表現がないと繋がっていかないんだけど、皆さん見事で、大笑いしつつもプロのテクニックに驚嘆しました。

 

 あと、実はフォーメーション(ペーパーを1枚引いて、それに関して4人で発想してポーズを決める)で自分のお題が読まれたんですけど、大変分かりづらいネタでご迷惑をおかけしてしまいまして……ごめんなさいと反省(橋ー箸みたいに同音異義語があるやつにしてしまった)。なんですが、鈴木さんが早々に同音異義語だったことに気づいたのを見て、「この機転があるから本番中のトラブル回避が早いんだな」と納得したのでした。

 

 ラストが長編の「ペーパーズ」で、避暑で遊びに行くはずが何故か南極に到着してしまい、というもので、タイトルからシチュエーションから全てペーパーで設定していくというものだったんですが、引かれたお題「俺のそばから離れるな」(だったかな?)をラストに綺麗に回収したのも凄かった。

 

 全部で4部あるうち、私が観られたのは1回だけだったんですけど、お題の設定から1回きりのものだったので、来年はもっと観たいなあと思ったのでした。

 

 しかし凄かったなあ。ひたすら面白くて驚愕の90分でした。皆様お疲れ様でした……!

 あと、ハロウィンのカボチャのかぶりものが大活躍していたのも微笑ましかったです。

 

 個人的に鈴木さんにはコメディに出て欲しいと強く思っている人間なので、そこが満たされたのも良かったです(笑)。

 いや、コメディって役者の演技力が一番試される演目だと思うんですよ。笑いを外した観客は冷たいですから。そういう場所で丁々発止している鈴木さんを観てみたいなあとしみじみ。

舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(5)7/29大千秋楽ライブビューイング

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過去エントリは上記です。

 

 

観てからちょっと時間が経ちましたが、大楽ライビュに行ってきました。

……のはいいんだけど、今回も台風接近で天候がどうなるかわからなくて、本当は博多で観る予定だったのが、急遽チケットを交換して頂き、博多滞在時間2時間半で地元に戻ってライビュを見るというおまけつき(しかも終わった時には晴れていた……)。

中止になった北九州といい、個人的には最後まで悪天候に振り回された舞台でしたが、なんとか無事に見届けられたので良かったです。

 

以下ときどき敬称略。そしてネタバレしかないのでよろしくお願いします。

多分これまでの感想の中で一番まとまりがないんだけど、思いついたことをつらつらと。

===== 

 

大楽に関しては、まんばちゃんの極は来なかったけど(上記エントリ(2)参照)、ラストの白三日月VS山姥切国広の対決で山姥切国広が勝ったという衝撃の展開に全部持って行かれた……というか、その前に鵺と呼ばれるが初めての登場じゃなかった的なセリフがあったところで「あれ?」となり、山姥切国広に歴史が降ってくるシーンでの変更に「あれあれ?」となり、そしてラスト「北九州まではなかった『煤けた太陽』が回収されてる!」「殺陣の段取りが違う!」と気がついた瞬間に号泣しそうになって頭が真っ白になったので、後で配信を見返してようやく落ち着いて観られた(でも毎回泣く)という有様でした。パンフレットやインタビューではずっと匂わせていたけれど、まさか本当にやってのけるとは。こんな驚きが待ち受けているとは思いませんでしたよ……。

 

ED変更は小劇場系だとちょいちょい聞く話だし、最近だとA3とか、ちょっとベクトルは違うけど、今年1月に上演された翻訳もののストレートプレイ「TERROR テロ」で最後に観客が有罪か無罪かを投票して毎回結果が変わるっていう、観客巻き込み型のED変更をやっていたっていうのを聞いたりはしていたんだけど、実際に自分が観た舞台でそれがあるとめちゃくちゃ衝撃を受けるんだな、というのが個人的な印象。

初日明治座の映像を残したのはそのためだったのか、と物凄く納得したんですが、映像に残すことを徹底している作品だからこそ出来る攻め方だなと。

 

実際に明治座→北九州でもラスト殺陣にはちょっと変化がついていて、

明治座…圧倒的だった白三日月→北九州…ボロボロだった白三日月が話しているうちに少しずつ力を取り戻して背筋を伸ばすという動作が追加

というのがあったんですが。まさか最大の日替わりが三日月VS山姥切の殺陣とは。

明治座と北九州に一緒に行った友人が実は予想していた)

もし機会があれば、蔵出しに全部収録して欲しいなと思いつつ。

役者の演技の変化も含め、悲伝は1公演1公演が、三日月の繰り返したループで、大千秋楽は変化の起きたループだったんだなあと改めて実感した次第。まさに役者が毎回生でやる演劇というメディアでしか出来ない要素なんですよね、これ。

 

ただ、何がえげつないかって、山姥切国広が勝ったところで、三日月宗近が刀解されるという円環の結びにはまったく変化がないというのが。

しかも、山姥切国広が三日月宗近の約束を受け入れて「強くなる」ことを選択したことで、もしかしたら山姥切国広も、三日月宗近の隠している何らかの重い運命を一緒に背負い込むのではないかという、恐ろしい可能性まで匂わせるという……。

山姥切も三日月も、これまでに見せなかった笑顔を最後に見せたし、最後の三日月の顕現時に虚伝初演の時の顕現ボイスになっていたということで、虚伝初演の時点に三日月は戻ったのだろうと個人的には思ってるんですが、ただ、それが何を意味するか、ということについては、今後刀ステ二期があることを期待するしかないんだろうな。

 

明治座で最初に観た時には、ただただ、何も言わず一切を隠し通して消えゆく三日月宗近が悲しかったんだけど、大楽に関しては、エンディングを観て2日くらい経って、笑顔の重さに打ちのめされるという奇妙な経験をしました……。

 

でも、このエンディングの変化については不思議ではないというか。

そもそもこのラストの変化は、虚伝初演と虚伝再演を踏襲していると思うんですね。初演の時の蘭丸にはなかった、ループを繰り返していることを匂わせる台詞が再演で追加されているものの、最終的に信長はやはり自刃し、「織田信長とは何者なのか」という揺さぶりを刀剣男士達に残して終わるのに呼応するように、悲伝でループを繰り返していたことが明らかになった三日月宗近が、千秋楽で虚伝初演に還り(多分)、「三日月宗近とは何者なのか」という揺さぶりを刀剣男士にもたらして消える、というのは、個人的にとても好きな構成です。

 

あと、歴史ものを観ているときに、例えば「今回こそ石田三成が勝つのではないか」とか、「織田信長が死なない未来があるのではないか」とふと考えてしまう歴史のIFを、二人の殺陣の勝敗が変化するのに三日月は刀解されるというという展開で容赦なく否定するのが、とてもメタフィクショナルだなと。どう干渉しようと、歴史の大勢には変化がない。それは三日月宗近が告げた通りの厳然たる事実。

けれど、三日月宗近と山姥切国広の歴史はまだ過去のもの、変化しようのないものにはなっていなくて、未来に向けては白紙になったのだ、というのが、歴史が降ってくるシーンから太平洋戦争の描写が消えたことで明らかになったのだと信じたいなあ……。

個人的にはここで刀ステの物語が閉じてしまうならば、それは演劇的には美しい終わり方だとも思うんですよね。訳のわからない理不尽な悲劇が襲いかかってきて、それに呑み込まれたものと揺さぶられたものたちの物語として、幕が降りるのもアリなんじゃないかとは感じたんだけども。ただ。

 

monokaki.everystar.jp

 

上記末満さんのインタビューにもあるけれど、ゲーム中の物語が進展していない状態で派生作品である刀ステが、勝手にSF的なギミックを定義した上でSFとして物語を閉じるのは現時点では難しそうだと思うので、ある程度ゲームの内容が提示されてからじゃないと「大団円」と末満さんが言う物語の未来には進めないんだろうなと。

でも、もし可能ならば、その大団円だけでも、キャスト変更なしで描いて欲しいとちょっと我儘なことを考えてみたり。

というのも。

 

ameblo.jp

 

荒牧くんのブログとニコ生で語られていたんだけども、大楽のラスト殺陣は稽古時にはなかなかうまく行かなくて、けれど本番ほぼ一発勝負で成功したという恐ろしい、まるでフィクションみたいなエピソードがあり。

ニコ生を見たあとにディレイ配信を見たら、実際に三日月に勝った瞬間の山姥切が、一瞬本気で呆然としてたんですよね。LVの段階でもその表情は物凄く的確に抜いていたと思うし、負けて晴れやかに笑う三日月の表情が、美しい刀が最期の力を振り絞って、ぼろぼろになりながらも希望を灯した瞬間のように思えて、それが余すところなく映されたのが素晴らしかったので、撮影班最高だなと改めて感謝した次第……。そして、実際に打ち合って誉れ傷だらけになった二振りの刀を大写しにしてくれたのも。普通なら殺陣だと実際に刃は当てないんでしょうけども。

またここで見届けた小烏丸の笑顔が実に温かくて。

 

明治座初日からラスト殺陣の三日月VS山姥切は、他の誰も入り込めない技巧と、ほとばしる感情と、演技だけではない関係の濃密さに溢れていて、北九州でも実際に観た時にはひたすら息を呑んで見守るしかなかったんだけど、大楽ではキャスト全員が袖で二人の殺陣を見守って、荒牧くんがハケたときに拍手で迎えられたという現実と芝居とが交錯するような話を聞いた日には、せめて物語の結びだけでも鈴木三日月と荒牧山姥切の二人で、どうしてもやって欲しいと願ってしまうなあ……。2.5次元舞台にキャスト変更はつきものだとわかってはいるんだけど、あの殺陣はおそらく、あの二人でないと出来ないだろうと突きつけられてしまったような。

苦難だらけの道を必死で乗り越えてきた刀剣男士キャストに、演劇の神様が微笑んだ瞬間を見た気分。

だからこそ、今はブッキングが難しいかもしれないけれど、数年後、さらに表現力を磨いているであろう現キャストになるべく続投してもらう形で、何らかの結びがあるといいなと思ってしまうわけで。

個人的な事情として、北九州前楽、劇場での観劇ラストの予定だった日、1桁目列で観られるはずだった公演がまさかの中止になってしまって、そのことへの残念な気持ちが消えないっていうのはあるんですが。

 

キャスト個別感想に関しては以前アップしたエントリからそんなに変化はないんだけど、キャストの成長具合に目を瞠った2ヶ月でした。特に加藤くん大物になってくれ。

そして座長・鈴木さんに関しては、殺陣や所作のブラッシュアップ具合が凄まじくて、最終的にまるで能を思わせる動きに昇華されていたなと。最小限の動作で最大の情報伝達をする無駄の無さが人間離れしていて正直恐ろしかった。

あと、何故三日月ウィッグのサイドがあんなに厚いんだろうと今回不思議だったんだけど、三日月の表情を見せないためだったのかなと。要所要所でサイドの髪を利用して表情を隠して、観客に見せる表情の情報量を意図的に減らしているように見えたんですよね。それこそ能の面をつけているみたいに。おそらく舞台に近い観客も遠い観客も、三日月の表情が伝える情報量は同じくらい間引かれていたんじゃないかなとようやく気が付き。重要なシーンでも大体横を向いているか観客に背中を向けているかだし。物語の中心ではあるけれど、物語を動かす主人公ではない、という役回りがもたらす難しさとの闘いだったんだろうなとしみじみ……。

その分声に感情が乗っていて、普段の喋り方とは抑揚を変えて、三日月が心揺らぐポイントを的確に伝えてくるあたり、やっぱり技巧派の役者なんだなあと再確認しました。あとラスト顕現シーンの台詞の発声な……。鳥海ボイスに忠実なのは虚伝初演とジョ伝の顕現シーン(ただ、この時はしょっぱなから骨喰にお守りを渡しているから、ループしている三日月の可能性が高いけども)の時だと思うんだけど、大楽以外はひろちかボイスだったので、声だけで違うフェイズに突入したんだなとわかるのは凄いなと。

雑誌「Audition Blue」の特集で、三日月宗近の行動原理は愛だ、と鈴木さんは明言していたのですが、その愛がどういう理由に基づくものなのか、もしかしたら鈴木さんは末満さんから聞かされた上で、悲伝の演技プランを組んでいるのかもしれないし、いつかそれが明かされるといいなと願うばかり。

 

そして。明治座LVの時に、悲伝は「とても演劇的だ」と感じて、ならば2.5次元舞台であることと演劇であることとの区別はどこにあるんだろうと考えていたんだけど、カテゴリ分けにあまり意味はなくなりつつあるというか、役者がいて、板の上で演じるならばそれは演劇だし、その中で、アニメや漫画やゲームを原作とするものを、便宜上2.5次元舞台と呼んでいる程度のことになってきているのかも。

私は元々ストプレが好きで、それはひとえに役者が脚本を読んで物語や台詞を解釈し、自らの身体に落とし込んで、感情を与え、登場人物の言葉として、台詞を発して観客に伝えるという行為に一番面白さを感じるからなんだけど(ミュージカルも好きではあるんだけど、歌や音楽っていう別の評価軸が入ってくるから全く別のものとして受け取ってます)、悲伝に関しては、悲劇性や理不尽さ、観客を試すようなぶん投げ具合、そして呑み込み難い何かをぶつけてくるところに、「演劇的」だと感じたのかもしれないと思いつつ。

悲伝はタイトル通り悲劇性に全ステータスを振っていると思うんだけど、悲劇を、ちょっと悪趣味な言い方をすれば、見世物的なエンターテイメントとして消化出来るのが演劇ならではの要素だと思っていて。どれだけ作中で苦しんでも、残酷な死を迎えても、カーテンコールに役者は再び現れて、現実に還らせてくれるという親切設計だし。原作つきであっても、そこに踏み込むことに躊躇しなかったのが、個人的にはとても好きです。ゲームシステムの悲劇的な要素に着目したメタフィクショナルな脚本だと思ってるので。

 

まあその後TRUMPシリーズの一挙配信を観て、末満脚本にしてはめちゃくちゃ手心を加えていたんだなと痛感した訳ですが。登場人物が大体死ぬか死ぬよりも辛い状況に置かれていてもう笑うしかなかったからな……しかも「マリーゴールド」は劇場で観るんだぜ……生きてられるのか私。

 

閑話休題

今回は53公演(本来ならば55公演)ということで少し気になったんだけども、キャスト・スタッフの安全管理は大丈夫なのかなと心配になるところがあったので、もし続編があるにしても、そこは管理を徹底して欲しいなと。

明治座初日ライビュを観たときに、セリが完全に止まっていない状態で移動の動作に入る刀剣男士で冷や汗をかいたんですよ。「挟まれたら事故になる!」と思って。実際セリでの事故は洒落にならない結果になることが多いから……。

そこは事故や怪我を防ぐためにも指導を徹底すべきだろうし、他にも、観客が多い演目とはいえ、正直上演スケジュールを詰め込み過ぎなのではと感じたので、もうちょっとゆとりを持ったスケジュールを組んで欲しいなと……。1回につき3時間半の舞台をマチソワやるだけでも半端なく体力を消耗すると思うんだけど、悲伝に関しては殺陣の量も凄まじかったし、そもそも舞台の殺陣で刃を当てるって割と変則的なようだから、刀の消耗具合も半端なかっただろうし、キャストの皆さんも相手に怪我をさせないよう、自分も怪我をしないよう気も使うだろうし。

千秋楽でキャスト全員の面差しが変わっていたのを観て、全員が揃って終えられたことは殆ど奇跡に近かったのではないかなと。

もし次があるのなら。もうちょっとゆとりのあるスケジュールで運営することを願います。他の作品に関しても同様なんですが。

観客の私も、役者のやりがいを搾取する側なのかもしれないなあと痛感したりとか。どうか無理なく怪我なくご安全に……。

 

改めて、皆様本当にお疲れ様でした。忙しいメンバーばかりだと思いますが、少しでもゆっくりする時間が取れますように。

 

そして、辛くて悲しくて楽しくて愛しい悲伝の2ヶ月を、虚伝から始まる2年間のモノが語る物語をありがとうございました。私は舞台『刀剣乱舞』が大好きだよ。

 

 

舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(4)7/5北九州マチソワ感想と7/6の出来事(7/11追記あり)

えー、とうらぶ今月の極は歌仙さんでしたので、

yuuki-sara.hatenablog.com

の予想はハズレですな……まんばちゃん来月の極実装が楽しみなような怖いような。

 

以下、ネタバレしかない感想。主に演技の話が多いかな。

そして7/6の話も少しだけ。

(7/11追記あり追記部分の文字色を青に変えてます。そして義輝様のお名前を間違っていました……!どあほう!!修正しました……。)

たたみます。

 

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舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(3)雑誌読んでの雑感含む主に三日月宗近周辺の話

 CUTと日経エンタ刀剣乱舞特集を読んだので、改めて北九州での観劇前に整理しとこうと思って、ふせったーにアップしたものに補足の文章を入れてブログにアップします。京都公演の間に進化しているんだろうなと思うとソワソワするんですが、後半戦すぐの北九州が本当に楽しみです。九州公演ありがたや。

 

全開の悲伝バレも入った妄想100%の話なのでお気をつけてご覧ください。

相変わらず文体が迷子ですが、普段ツイートするときはこんな感じです。ごめんなさい。

 

主に三日月と鈴木拡樹氏の話がめちゃくちゃ多いんですが、まあこのブログの過去のエントリを見て頂ければ私の見方が偏っているのはおわかりかと思いますのでよろしくな……。敬称略したり略さなかったり。

 

以下、記事をたたみます。

 

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舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(2)ネタバレ雑感とちょっとメタ的な考察

以下妄想と致命的なネタバレしかないので要注意!!

別作品への言及があるんだけど、決定的なネタバレになってます。

あと、途中で力尽きたので、そのうち追記するかも。

 

一応見出しはぼかしてみるけど、平成と2010年代を駆け抜けつつある1ヲタクの回顧的な雑感も含むので、作品感想からはちょっと外れたり近づいたりかもしれない。演技についてや舞台としての感想はまた別項に(いくつエントリ作るつもりだよ)。敬称略。

随時追記します。本文は折りたたむ。

 

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舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(1)ネタバレ最小限感想ツイまとめ6/2ライブビューイング

観てきました。死体の呻き。

とりあえずネタバレなさげなツイをまとめてみた。

ネタバレはふせったーさんのお世話になってます。 

色々考えてる部分は別項に譲る。

随時増えていくと思います。

ちなみに、あと、北九州と大千秋楽ライビュを観に行く予定。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、別アカウントのネタバレ感想モーメント

 

https://twitter.com/yuukisarastage/status/1003198024506458114?s=19

 

「朗読劇 私の頭の中の消しゴム10th Letter」2018年5月3日 鈴木拡樹×増田有華回

 久々の更新ですが、なんと4月の頭にA型インフルエンザを発症して、フル回復するまでに1ヶ月かかりましたよ……控えめに言って地獄だった。

 しかも4月のインフルエンザは2年連続なので、今年の冬からは予防接種を1シーズン2回受けようと思います。しかも仕事もめちゃくちゃ忙しくなったので、予定をいくつかすっ飛ばした上に修羅天魔のLVも諦めたんだけど、なんとか回復した&ありがたいことにご縁があって観劇が叶いました。

 

 以下、感想。

 

 実は一緒に髑髏を観に行った友人が、過去にも「三人どころじゃない吉三」や「Sin of Sleeping Snow」、3年前の「私の頭の中の消しゴム」鈴木拡樹回を劇場まで観に行っていて(というのを今年になって知ったという)、今回の朗読劇が発表されたときに、「消しゴムは絶対観ておいた方がいい!」と言われていて、嬉しいことに3日の楽日を観劇することが出来るようになり。

 こういうご縁は結んでおかないと将来的に絶対後悔するのを知っているので、慌てて飛行機を押さえて東京へ。

 

あらすじは以下の通り。

 

朗読劇「私の頭の中の消しゴム」とは|私の頭の中の消しゴム

 

といっても、記憶は曖昧なんだけど、多分永作博美主演の「Pure Soul」は見ていて、そのときの視聴者の感想もWEBで色々読んでいた覚えはある。

脚本も「ごくせん」「花咲舞が黙ってない」の江頭美智留さんだったなあと懐かしく思い出しつつ。映画は未見。

(ドラマだと浩介と薫の間に子供が出来るから、二人の関係性自体が朗読劇とは随分違った気もするけど記憶が略)

 

 私が観劇したのは2日目にして楽日。

そもそも私が朗読劇を観るのは初めてなので、きちんとしたセットがあることに驚いたんだけど、中央のドアから飛び込んできた鈴木浩介が、ぶっきらぼうな口調で薫の日記を読み上げるところからスタート。

 続いて薫の登場。明るくかわいらしい笑顔の彼女が、実は不倫に苦しんでいて、それを振り切ってなんとか前を向こうとしているという背景がわかったところで、第一印象が最悪だった二人が、少しずつ距離を縮めていく様子が、互いに自分の書いた日記を読み上げることでわかってゆくという流れ。

 親密になるうちに、浩介は母親に捨てられたトラウマを思い出し、薫を突き放そうとするのだけど、二人で葛藤を乗り越えて結婚。幸せな新婚生活を過ごしていたのに、実は……という天国から地獄へと一気に突き落とされ、その果てに浩介が見る光の話、になるのかな。ざっくりだけど。

 

 朗読劇とは銘打っているんだけど、とても演劇的というか、立ち歩いて演技をしているのと変わらないくらいのエネルギーと感情の渦みたいなものを感じる舞台だったな、と思う。5月2日の回では浩介は涙を流していたそうなんだけど(そちらも見てみたかった気もする)、3日は浩介は一度も涙を流さず、心に秘めた嵐のような感情を台詞によって爆発させていて、形として感情を発露させるものがなかった分、私の中にも形を成さないエモーショナルなものが、純度100%で流し込まれたような感じがあった。

 とてもはっきりと輪郭を持って「生きている」男性だったな、と思う。

 浩介が抑制的な分、薫の喜怒哀楽がストレートで、決して「型どおりのいい子」ではあり得ない薫の無意識の残酷さや幸せな環境で過ごしてきたが故の無理解もあるんだけど、それを内包してもなお愛らしくて、こういう女性だから浩介の心の分厚い壁を破って掴み取ることが出来るんだろうなっていう説得力を感じた。

 浩介と薫二人の存在感が素晴らしかったし、特に後半の演技は圧巻だった。いいものを見たなあ。

 

 どうしても鈴木さんの演技についての感想が主になってしまうんだけど、とにかく増田有華さんの演技が好きで。とても巧いと思うし、しかも単なる巧さを超えた感情の生々しさがあって、いい女優さんだなぁと。AKB出身の女優さんって人前に出る場数を踏んでいるせいか、凄く安定しているなっていうイメージがあるんだけど(大島優子さんとか秋元才加さんとか川栄李奈さんとか出したらキリがないな)、今後も舞台やドラマで拝見したいなと思う熱さだった。

 それから、二人芝居なんだけど二人じゃないというか、序盤のシーンで浩介が親方のモノマネをしたりとか、薫の友人と会うシーンだったりとか、そういうところの端々に、閉じていない二人以外の世界が広がっている感じがしたなぁ。うまく言えないんだけども。沢山の人間が二人の周りにちゃんといて、支えられたりぶつかったりしている感じがあって、地に足が着いていた気がする。

 

 鈴木さんの浩介に関してもなんだけど、とにかく生々しい存在感のある演技だったし、台詞の一つ一つが感情の具現化したもので、それを胸の中に直接叩き込まれるような強さと烈しさに圧倒された。

 それゆえに、演技としては抑制的(声を荒げるシーンはあっても涙は流さない、台詞も緩急が効いている)なのが余計効いていたなぁと。ずっと台本に目を落としているから表情ははっきりとわからないんだけど、ページをめくる手が震えていたり、もどかしげに何度もめくったり、時にはぐしゃりと握りつぶしたり、そういう仕草が雄弁に感情を表しているのが印象的。

 あと、決して上手く台詞を読み上げようとするのではなく、とても「浩介らしく」言葉を紡いでいったのではないかなという気がした。時折言葉に詰まったりもするのだけど、ぶっきらぼうできつい言葉を投げかけがちな浩介ならば、自分の書いた日記を読むときに、こんな風になってしまうだろう、というような。

 ただひたすら爆発的なエネルギーに圧倒されて、舞台が終わってからしばらく呆然としていたし、今も熱量にあてられている部分はあるかもしれない。

 

 鈴木さんの2.5以外の舞台を劇場で観るのは髑髏以来2つ目なんだけど、2.5以外の舞台にも色々と出て欲しいなあと思うことしきり。

 「消しゴム」を勧めてくれた友人に観劇翌日に会って色々と話をしていたんだけど、「ベテランの多い重厚なシェイクスピア劇とか出て欲しいよね」という流れに。

 あと、個人的に2人~4人くらいの登場人物で話を回していく、役者の演技力がぶつかり合う芝居が好きだったりするんだけど(役者は台詞多いし出番もひっきりなしでとにかく大変なやつ)(なので「僕のリヴァ・る」の円盤も大変楽しく拝見しました)、そういう舞台も観たいなあ。

 まあ私は三谷幸喜のフィールドの人間なので、そっちに出て欲しいっていうのは何度も書いておく(笑)。それと大河ドラマBS時代劇。映像系だとNHKはなんだかんだ強いと思うので。

 

 まだ自分の中で消化しきれてなくて、とりとめのない文章になってしまったけど、とにかく観に行って良かった。他の組み合わせも観たかったけど時間がなかったので、また観に行けるといいなあ。そして、数年後にまた同じ組み合わせで観てみたいなあと思いつつ。

 

 で、以下はラストのネタバレと自分の個人的な経験に基づくものなので、適当に飛ばし読みして欲しいんだけども。

 去年、薫とは別の病気なんだけど、一昔前の法律用語でいうところの「事理弁識能力を完全に欠いた」母親が施設に入るのを見送った立場なので、正直なところ、浩介が薫の介護を続けていく中で、心折れたことをはっきりと口に出す瞬間の言葉、「疲れた……」が物凄く刺さった。

 病状が進行していくなかで、多分沢山浩介の心折れる瞬間があって、浩介はそれまで必死で自分の心が折れているのを否定してごまかそうとしていたんだろうけど、薫の症状が進行していく中でバーンアウトしてしまった自分を認めざるを得ない、その時の残酷な言葉を、血を吐くような言葉にして表現された瞬間、奥歯を噛み締めて嗚咽をこらえるしかなかった。

 

 でも、バーンアウトを認めた瞬間、多分浩介と薫の関係性は大きく変化したんだろうな、というのもあり。

 庇護するもの、されるもの、という関係がリセットされて、改めて「浩介と薫」という個人の関係に戻ったのじゃないかなと。

 だからこそ、最後の浩介から薫にかけられる「愛してる」という言葉は、純粋に心情を伝えるものとして薫に投げかけられているのじゃないかな、と。

 

 なので、「疲れた……」をあんな風に表現した鈴木拡樹は、恐ろしい、そして凄い役者だな、と、今更ながら思う次第。

 

 また数年後に、「消しゴム」の朗読をしたら、今度はどんな解釈になっているんだろう。その時に観られるといいな。