さて、2018年のまとめ。そんなに数を観ている方ではないんですが、今年印象に残ったものを。
ドラマに関しては、観劇で土日家を空けていることが多かったので、そんなに本数は観られなかったんですけども。
映画はともかく、舞台に関しては半分鈴木拡樹の話です。敬称略。
【映画】
2018年観た映画で印象深いもの(順不同)
●バーフバリ2
●否定と肯定
●ペンタゴン・ペーパーズ
●君の名前で僕を呼んで
●ゲッベルスと私
●万引き家族
●若おかみは小学生
●カメラを止めるな!
●ボヘミアン・ラプソディ
●リメンバー・ミー
●グレイテスト・ショーマン
●アベンジャーズIW
●デッドプール2
●僕のヒーローアカデミア劇場版
●パンク侍、斬られて候
●累-かさね-
●パパはわるものチャンピオン
●ブラックパンサー
●ファンタビ2
●キングスマンゴールデンサークル
●銀魂2
映画は観に行くもの観に行くもの全部面白くて、今年は当たり年なんでしょうねえ。特に邦画。安藤サクラと松岡茉優は最高でした。累は舞台で観たい。
あと個人的に毎年ナチス映画枠があるんですが、「ゲッベルスと私」は、ゲッベルスの秘書としてあの時代に生きていた「普通の人」の証言として、物凄く衝撃的だった。私もあの時代にあの場所に生まれていたら、同じような選択をし得るっていう恐ろしさ。彼女の友人だったユダヤ人の女性は貧困にあえいだ挙げ句収容所のガス室で亡くなり、彼女は映画でそれを告白するという現実に打ちひしがれた作品。記録映画として秀逸だったのではないかと思います。「否定と肯定」はイギリスで実際に起こされた「ナチスのユダヤ人虐殺はなかった」という裁判に対して、どう否定してゆくかを描いたノンフィクション。法廷闘争ものとしても大変おもしろかった。
あと、マーベルものは鉄板の面白さですねえ。ブラックパンサーは音楽がとにかく好き。そしてサノス許さん。
ファンタビ2はジョニデとジュード・ロウがたまらなく良かった。
ファンタビとボヘミアン・ラプソディはもう一度観に行きたいんだけど、時間あるかなあ……。
【ドラマ】
●隣の家族は青く見える
●アンナチュラル
●コンフィデンスマンJP
●dele
●獣になれない私たち
単発ドラマを録画したまま溜めてるので、主に連ドラで、しかも見たもののみですが。
今年も圧倒的野木亜紀子イヤーだったなあと思います。安心と信頼と鬱展開の野木亜紀子。特にアンナチュラルは好き過ぎて辛い。続編が観たい。死者の声なき声を聞く監察医ものは大好きなんですが、そこに法廷ものを絡めてきてバリエーションを出しているのが流石だなあと。
野木作品に限らずなんですが、今年は死の色の濃い作品が多かった印象。死じゃなければ別の形で生まれ変わるか。世相でもあるし、平成という時代の死に立ち会う私達に向けて新しい生が拓かれているという希望の現れなのかはわかりませんが。
コンフィデンスマンJPはコンゲームものですけど、長澤まさみのコスプレが毎回楽しかったです。これも毎回別人を演じて生まれ変わる要素があるなあ。
ラストで1話に戻る構成といい、古沢良太の職人芸に唸った作品でした。映画楽しみです。
deleは山田孝之と菅田将暉の凸凹コンビ感と、1話ごとに話の雰囲気の変わるオムニバス感で引きつけられた作品で。こちらは死者の残したデータを消す仕事の話なんだけど、そこを軸に生を描く逆説的な展開が素晴らしかった。
おっさんずラブに関しては、ドラマを見ながら、自分の中のLGBTに対する差別感情を鏡写しにされているような居心地の悪さを感じたという不思議な作品でもあった気がします。でも、役者が実力派ばかりなので、キツい展開でも説得された感があり。過渡期の作品なんだろうなとは思うんだけど、私個人的には牧くんに幸せになってほしかったので良かったです……。はるたんはめちゃくちゃ愛されてくれ。
【舞台】
観たものをざっと挙げていくと。
●髑髏城の七人season月 上弦の月(LV)
●髑髏城の七人season月 下弦の月
●宝塚版ポーの一族(LV)
●少年社中「ピカレスク★セブン」
●TEAM NACS「PARAMUSHIR ~信じ続けた士魂の旗を掲げて 」(LV)
●朗読劇「私の頭の中の消しゴム」
●ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"最強の場所(チーム)"
●舞台はたらく細胞(配信)
●舞台家庭教師ヒットマンREBORN!(LV)
●柿喰う客「俺を縛れ」
●ミュージカル「マリーゴールド」
●No.9~不滅の旋律~
●魔界転生
●日本の歴史
●江戸は燃えているか
●メタルマクベスdisc3
●舞台『刀剣乱舞』悲伝 結の目の不如帰
●真剣乱舞祭2018(LV)
我ながらとりとめがなさすぎて笑うんですが。
個人的には「贋作・桜の森の満開の下」はブログにも書いてますが、観られて良かったなあと思います。あと、「ポーの一族」は明日海りおのエドガー力が高すぎて目眩がしました。美しかった……。続編が観たいです。
「PARAMUSHIR」はスタイリッシュさと泥臭さの塩梅が凄く好みで、実はTEAM NACSの本公演を観るのが初めてだったんですけど、せめて「悪童」くらいから観ておけば良かったと大後悔。ポツダム宣言後に起こったソ連軍との戦いの話なんですが、安田顕の悲しみがとても印象的でした。
そしてそして。
2018年(正確に言うと2017年末からですが)は私にとって鈴木拡樹イヤーでもありました。「髑髏城の七人下弦の月」「舞台刀剣乱舞 悲伝」「私の頭の中の消しゴム」「いんぷろby拡樹」「No.9」と一気に駆け抜けたら1年が終わっていたという、恐ろしい状況に。
決定的だったのは「髑髏」と、円盤で観た「三人どころじゃない吉三」(2016)だったのですが、
この年末に公開されたこちらの対談を読んで、髑髏と三人~がつながっていたことに感謝しつつ。天魔王を演っていなければ私はこんなに沼落ちはしていなかったと思うんだ……キャスティングの神様に感謝ですよ……。感謝なのか? いや感謝か。お金は貯まらないけど!(笑)蘭兵衛も観てみたさはあるんだけど、捨之介も合うんじゃないかなあと。いや一番観たいのは「蛮幽鬼」のサジと名乗る男だし、もっと言うならば当て書きされた新作なんですけども。
何度かブログにも書いてますが、鈴木さんについては舞台弱虫ペダル(主にLV)で観てはいたものの、はっきり「なんかすごいな?!(特に殺陣)」と思ったのは刀ステ虚伝初演のLVで。以後、再演からは劇場のチケットが取れたので、悲伝まで全て劇場で観ることが出来ました(ただし悲伝は福岡の上演中止回に引っかかりましたが)。
もーなー末満脚本がどっぷり「愛とエゴの君と僕」シチュエーション大好きだからなー!!!(大の字)結の目の君と不如帰の僕だよ…TRUMPシリーズで見た…
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
今日ブログで総括書くつもりだったから色々考えてたんだけど、これまでの52公演でずっと三日月との手合わせに負け続けていた山姥切が、大楽で三日月に勝って(山姥切が自覚的に)三日月に希望を持たせたことで、愛とエゴの共依存が完成した感があるんだよな…業の深さに恐怖を感じるレベル
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
明治座初日ー京都公演ー福岡公演とラスト殺陣の段取りが徐々に変化して三日月の余裕が失われてゆくのを観ていた上での、大楽で三日月が1本取られる殺陣だったから、末満演出はどんだけ役者二人にエグい芝居を求めてるんだと思ったし、大楽は舞台の神様に二人の役者が愛されてたなって…
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
別アカのフォロイーさんが「観劇とは事件を目撃することだ」って仰っていて物凄く納得したんだけど、大楽はまさに事件を目撃した瞬間だったなあ。「殺陣の段取りが違う!」って気がついた瞬間から震えと嗚咽が止まらなくなった…。
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
ステにおける殺陣は心情描写で、「俺達は刀だ。言葉尽くさず、刃もて語らおう」っていう台詞が円環の果てにある全てだったんだなあと。歪な物語だし理不尽さに満ちてるんだけど、失敗していたら世界が壊れてただろうあの1回きりの殺陣を成功させた二人の役者に最敬礼を。
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
大楽で、出番のない役者が袖に集まって二人の殺陣を見守っていたっていうエピソードに「そりゃそうだろうよ…!」って思ったからなあ…。本当に凄まじかった。役者の技量と熱量に色々捻じ伏せられた感がある。
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
子供のように泣きじゃくりながらも刀を全力で振るい続けた山姥切を演じた荒牧くんと、慈愛に満ちた、でも疲れた笑みを浮かべながら、山姥切を導くように刃を合わせ続ける、愛とエゴを抱えた三日月を演じた鈴木さんに、舞台の神様の加護があるといいなって切実に思う。
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
結の目の不如帰は、私にとってはあまりにも強烈な観劇体験だったということをつらつら呟いてみた。劇場で観られて本当に良かったと思うし、だからこそ豪雨で上演中止になった公演を観られなかった後悔は一生残るんだろうなとも
— ゆうきさら2019 (@yuuki_sara) 2018年12月29日
悲伝に関しては上記ツイートのような結論。でも、悲伝の三日月は髑髏なくしては演じられなかったと思うし、髑髏で見せてくれた天魔王は、今から思い返してみれば、とても鈴木さんらしい、生真面目で不器用で奇妙に掴みどころがなくて、もし殿の幻影に囚われていなければ天下をも狙えていたかもしれない可能性を秘めた存在だったな、と思う。
そこから一気に「普通の人」であるベートーヴェンの弟・ニコラウスを演じることになって、しかも刀剣乱舞の映画とドラマの撮影とどろろのアフレコを挟んでいるから、今年要求された振り幅って実はかなりバラエティに富んでると思うんだけど、1つずつハードルをクリアしていく様子を見ているのは実に楽しいなと。
ということで、これまでやらないようにしていた複数回観劇のハードルが無くなって色々大変ですが、楽しい1年でした。
なんでこんなに急激に沼に落ちたのか自分でもよくわからないんですが、多分ふわっとした外見と、刀のような内面のギャップなんでしょうねえ。実をいうと、鈴木さんの演技を観ていて、一番感じるのは「怖い」なんですよ。
なので、御本人のイメージとしては、鞘に包まれた刀というか、抜身になった本性が垣間見える瞬間の鋭さというか、そこにぐいっと引っ張られたんだろうなと思います。だから、三日月宗近は当たり役だなと思うし、天魔王も鈴木さんの持つ性を引き出した役なんだろうなと。ニコラウスはバックラッシュ的な部分があって、この辺りは御本人が役を呼ぶのか、役が役者を呼ぶのか。バランスとして面白いですねえ。
そして個人的に、映画刀剣乱舞で山本耕史と接点が出来たというのがとても喜ばしくて。新選組!のときに、まだ若いキャスト達が浴びたマスコミからのバッシングが物凄くて、放送前から楽しみにしていた私はかなりマスコミ不信になっていたんですが、新選組!キャストは見事にそれを乗り越えて、大河ドラマで初めて続編が作られるっていう快挙を成し遂げたんですよね。そのときの状況と、今の2.5をメインとしている役者達の状況はとても似ているんではないかというのがあって。
過去と未来がつながる瞬間を見られたようで、とても嬉しかったんですよ。
どうか末永く続いてくれますように。そして板の上で共演するのを観たいです。実際に髑髏の花蘭と下弦天なので、同じ板には立っているわけですが。映画楽しみだなあ……。
同じことを感じたのが、「マリーゴールド」に出演していた田村芽実なんですが。めいめいは美しく装飾された銀のナイフで、抜いたら刃物に毒が塗ってあるイメージ。恐るべき20歳。
めいめいがレミゼのファンテーヌやってくれるのを待ってるよ!
来年はNo.9の久留米公演からの映画刀剣乱舞と「画狂人・北斎」、そして少年社中「トゥーランドット」福岡公演観劇で幕を開けます。
とりあえずどろろやらTRUMPシリーズの新作やらですでに6月くらいまで予定が決まりつつありますが、来年も楽しく過ごせるといいな。
せっかくブログ更新を再開したので、これからもちょいちょい更新していこうかと思っていますので、お時間があるときにでもお付き合いください。平成最後の年末年始が穏やかなものでありますよう。
では、皆様良いお年を!