ゆうきさらのほんよみにっき@はてブロ

はてなダイアリーから引っ越しました。ゆうきさらが読んだり見たりしたものを気ままにつづります。

鈴木拡樹という名の舞台役者がいる

……ことをわかってなかった間抜けなブログ主の後悔、までがこのエントリのタイトルです。長い。

 

平成30年がやってきました。あけましておめでとうございます。

今年はちょいちょいブログの更新をすることを目標の一つにしたいです。気まぐれで三日坊主なブログ主ですが、エントリを見かけたらよろしくお願い致します。

内容は観劇だけじゃなくてドラマや映画の感想やら何やらでごった煮だと思いますが。

ツイッターもアカウント名yuuki_saraで持ってますので、そちらでは廃人のように呟いてます。

つーか前回のブログと文体が違うから何だこりゃって感じですが、その日の気分で文章が変わるので慣れてやって下さい……。

 

以下、敬称略&個人の感想です。

 

さて、昨年12月4日に髑髏城の七人season月(下弦の月)観劇以降、一体何をしていたかというと、観劇したり(舞台刀剣乱舞 ジョ伝 三つら星昔語り)、刀ステのBDを見たり、舞台のDVDを見たり、あと「風雲児たち」のトークショーに行ったりドラマ見て号泣したりしてたわけですが。

実は髑髏城の七人を観たあとに、「天魔王に鈴木拡樹の影が全く見えない」→「じゃあ、鈴木拡樹の素の芝居ってどんな感じなんだろう?」という興味を持って。

「折角だから、オリジナル脚本ストプレ出演の映像を見てみるか!」となったわけです。ここで既にかなりダメな沼に突っ込んでたことに気がつけば良かった。

 

で、先達の方々のオススメコメントやツイート、ブログを参照しつつ、昨日まで見たDVDの記録と感想を以下に記しておこうかなと。

yellow16.hatenablog.com

 

atm.hatenablog.jp

 

 

yuuki-sara.hatenablog.com

 

一応ざっと私が出演舞台のどれを観てきたか、というのを書いていくと、上記のエントリでも書いたように、一番最初に観たのは「舞台弱虫ペダル」のライブビューイングなんですが、主演のスピンオフ「野獣覚醒」は昨年末まで未見でした。

で、そこから随分間が開いて、「舞台刀剣乱舞 虚伝 燃ゆる本能寺」(再演)のチケットを、何のきっかけかは忘れたんですが、たまたま応募したら北九州公演が取れたので(実は当時倍率高いのも全く知らなかったのでビギナーズラック怖い)観に行ったんですが、観劇後に役者の演技に呑まれて呆然としたのは久々で。正直インパクトが強すぎて、後でフラフラしながら地元に戻ったような記憶しかなく。

続いて「舞台刀剣乱舞 義伝 暁の独眼竜」、「舞台煉獄に笑う」、「髑髏城の七人season月(下弦の月)」は劇場で観ました。スーパーダンガンロンパもチケットは取れていたんですが、他の用事が入ったせいで行かなかったことを今死ぬほど後悔している……。

ちなみに戦国鍋もディケイドも最遊記も全く通過していないので、私は一体何を見て生きてきたのか未だにわかりません。よく掠りもせずに今まで来たなあ……。

 

 ただ、当時はとりあえずチケットが取れた舞台を観に行くような感じで、オリジナル脚本のストプレにも出ているっていうのをよく知らず。髑髏城を観に行って思いっきり沼に蹴り込まれた自覚があったりなかったりしたので、「じゃあとりあえず行ってみよう!」と思ったのが以下の円盤。

 

disgoonie.jp

DVDは以下で販売中でした。略してSSS。とっっても好き。

DisGOONie Online Shop

「舞台煉獄に笑う」で激しい殺陣と舞台セットの特殊な造りが気になっていたので、同じく西田大輔演出のこちらをまず最初に選んだのだけど、とにかく殺陣が凄い。めちゃくちゃ殺陣の密度が高い。円盤で観ても圧巻だけど、それだけではなく。

 冷静で感情を表に出さない主人公・山県昌景が、ある瞬間、子供のように動揺して、ボロボロになって崩れ落ち、感情を爆発させるシーンがあるのが物凄く印象的で。一気に引き込まれて、あとはじっと画面に見入っていた……。

 

「これは他の作品も観ないと……!」と思っていた矢先。年末に友人とジョ伝観劇と忘年会を兼ねて会っていたときに一緒に観た円盤が少年社中のこちら。

 

www.shachu.com

DVDは現在少年社中の公演でしか購入出来ないそう。

で、こちらで演じているのは「ジュリエット」。「ロミオ」じゃなくて「ジュリエット」。

頭に疑問符を浮かべながら観たら、ジュリエットは男の娘だったという衝撃の展開が待っていたんだけど、とにかくジュリエットがかわいい。女装してようが男装してようがかわいい。そしてまだ演技は若いけれど、シェイクスピア劇の古風な台詞回しがきちんとハマっていて、悲劇に向かって突き進んだ後の、ラストシーンが力強く。

 あと、所作がたおやかなのに動揺。

 

で、慌てて次に観たのがこちら。

少年社中 15周年記念第三弾 第28回公演【贋作・好色一代男】特設サイト

円盤はこちらから購入出来ます。

www.kinokuniya.co.jp

井原西鶴好色一代男を下敷きにした艶笑譚で、役どころは主人公の色男・世之介の向こうを張るもう一人の色男・艶之丞。際どい台詞や単語もバンバン吐くし、イケメンであることに絶対の自信を持つ風な超絶モテ男なだけあって、チャラいし、視線だけで女を射殺す勢いなのに、色々あって世之介と契った挙げ句、ライバル心とは裏腹の恋情を抱くというなかなかにかっ飛んだ役どころを、コミカルに、しかし見せ所ではシリアスに演じていて、とてもメリハリが効いている。

 

こうなれば、ということで、次に観たのは少年社中出演3作目にして主演。

 

www.shachu.com

円盤はこちら。

www.kinokuniya.co.jp

歌舞伎の「三人吉三」を下敷きにしたSFもの。

……っていうだけでもかなり特殊設定なんだけど、鈴木拡樹演じるのは主演のお嬢吉三。普通に女装。しかも観ててぽかんとするほど美人で、仕草も格好もめちゃくちゃ女子力が高い。でも口調は男性的で声は低いし終始歌舞伎調の台詞回しという、物凄く作り込んだ役柄。途中で男装もするんだけど、そちらは本人が望みもしないのにモテまくってしまうというなかなかに面倒くさい役回り。

 歌舞伎では悲劇に終わる話の結末を変えるために、お嬢吉三が何度も試行錯誤を繰り返す、幸せな結末を求めて心情を吐露するシーンは圧巻で、元々の物語の良さも相まって号泣してしまった……どういう最後を迎えるかは是非観て欲しいなぁ。

「こいつぁ春から縁起が良いわぇ」という有名も有名な決め台詞を聞けるのも楽しい。

 

あと、これは絶対に押さえておけと言われていたシリーズ。

mottorekishi.com

mottorekishi.com

円盤はこちら。

マルガリータ

TV ASAHI MUSIC ONLINE STORE

(幻の城)

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なお、現在dTVで配信中なので、私はとりあえずそちらで観ました。

円盤は後日買う……今は髑髏でお財布がいっぱいいっぱいなんだよ……。

マルガリータ

pc.video.dmkt-sp.jp

(幻の城)

pc.video.dmkt-sp.jp

マルガリータ」はパブリックイメージの鈴木拡樹っぽい役だったので「ほほう」と思いつつ観ていたんだけども。

「幻の城」が。

八丈島に流された宇喜多秀家の狂気と正気の狭間を描く物語。

 ……いや本当に誰だかわからない。これ本当に鈴木拡樹なのか。若い頃の木村拓哉のような顔だったのにも驚いたんだけど、演技にとにかくびっくり。

 正気なのか狂っているのかといえば本当に狂っていて、口調はおぼつかないし足元はふらついているし目つきもおかしいのに、ときおりゾッとするような殺気を見せる。禍々しい邪神を観ているような気分になって、ただひたすら圧倒された。

 嗄れた声は老人のようで、しかしギラリと光る瞳に妄執が宿っているのが垣間見えて。終始「ああ、狂気に沈んだ人間なんだ……」と突きつけられていた。

 ラストシーンはおそらく死ぬ間際だと思うんだけど、完全に世界から魂の離れてしまった老爺だった。なんだこれは……凄いものを観た……。

 あと、途中に槍殺陣があって、長物を扱うのを観るのは初めてだったのでとても新鮮。

 

 

 他にも配信で、舞台ノラガミの第一弾・第二弾と、円盤で舞台弱虫ペダルの野獣覚醒を観たりしつつ。

 

 個人的な感触として、「2.5次元舞台よりオリジナル脚本のストプレの方が圧倒的に演技を盛りまくってるじゃないか(当たり前っちゃ当たり前だけど)……というかむしろ2.5だとめちゃくちゃ抑えてるのか」という結論に至りました。

 

 以下、さらに個人的な印象。鈴木拡樹が持っている演技のバリエーション自体がかなり多くて、2.5だとあるキャラをキャラたらしめるために、そのキャラクターが持っている要素以外の部分を出さないように抑えている&ストップモーション的にキャラクターのポージングを真似て、観客側の想像力を引き出している部分があるのかなと。しかも本人は自覚的にそれをやってそう。声をまねるだけではなく。

 「野獣覚醒」を観ていたときに、「あ、この荒北のポーズ、スペアバイク(荒北の番外編が掲載されているコミックス)の一コマにあった」というのを強烈に思い出したシーンがあって。おそらく意図的にそういう部分を盛り込んでいるのだろうなと(というのを刀ステのメイキングで話していた気がする)。

 

 対照的に、オリジナル脚本のストプレでは口調にしても声の調子にしても盛りまくっていて、とても自由にのびのびとやっている感じが。そうだよこういうのが観たかったんだよ……つーか本当に器用だな! 結局素の演技がどれかはわかるようでわかんなかったけど楽しそうに演じてるからいいや! 鈴木拡樹が演じてたらそれは鈴木拡樹の演技だ!

 

 例えば「三人どころじゃない吉三」は主演:鈴木拡樹じゃないと絶対に成立しない話だと思うわけで。

 お嬢吉三はジェンダー・ロールを飛び越えて男女の狭間を自在に動き回り、さらに男女問わず作品内での「美しさ」「格好良さ」の頂点にある。けれども、それ故に本人が悲劇を巡る仕掛けに気がついてしまってから、その「美しさ」「格好良さ」が悲劇を乗り越えるために物凄く邪魔になる、という展開は、鈴木拡樹の身体性と、大仰なくらいに芝居がかった口調、そして存在感と熱量があってこそじゃないかなと。うまく言語化しづらいんだけども。

(本旨とは少し外れるけど、少年社中の作品内での鈴木拡樹の存在は「作中におけるジェンダー・ロールを引っかき回す役どころ」に見えて、鈴木拡樹出演作品は、そこにカタルシスを得る構造で物語を組み立てているように感じる。それは鈴木拡樹でしかなし得ない部分だと思うし、本人も毛利亘宏主宰も意識しているのかなと)

 

 「髑髏城」を観てからずっと思っていたんだけど、本人の素の演技は堺雅人系統というか、どんなキャラクターでも作り込めるし、いい意味でマンガ的なわかりやすさもありつつ、主役級のインパクトを持っているのかなと。何より、楽しそうに演じてるように見えて、だから観ているこちらも楽しくなる。

よく客演する少年社中も早稲田大学演劇研究会の系譜だから、という連想もあるんだけども。ファンタジックな作風に負けない濃さと強さのある演技は観ていてエンターテインメント性に溢れているなぁと思う。

 蛮幽鬼のサジ役をやって欲しいと思っているのも、堺雅人との近似性を感じるから、というのがあり。再演やってくれたら全力出すよマジで……。

 

 一方で、板の上や観客席の状況や空気を物凄く読んでいるクレバーさがあって、座長のときであろうが二番手の時であろうが、自分が積極的にバランサーとなって会場の空気を調整している感じも。

 それはどちらかというと自分の演技を引いたものに見せる方向に働くかもしれないけれど、座組の一体感という意味ではものすごくプラスになるだろうし。

 

 そんなこんなで、もっとオリジナル脚本のストプレを観たいなあと欲が湧いてくるわけで。

 私自身は元々三谷幸喜のフィールドの人間なので、三谷幸喜脚本の時代物とかミステリの芝居に出て欲しさもあるし、古沢良太脚本とかも楽しそう。

 あと、映像でも大河とかNHKの時代劇に出てくれたら私は大歓喜する。ホント出て。

 正直、これだけ目を引くものがあれば、世間が放っておかないと思うし、これから大きな役が増えていくだろうな、っていうのは想像がつくんだけども。なんつったって世情に疎い私が知るくらいだし。

 

 ただ、少年社中だったり、西田大輔作品だったり、ペダルからのご縁の西田シャトナーさんだったり、刀ステの末満さんだったり、これからどんどん大きくなっていくであろう人々と積極的に組んで、新しい演劇の地平を切り拓いて欲しさがとてもある。権威にとらわれず、あちこちで演じて、色々な姿を見せてもらえたら嬉しいな、というのが今の正直な私の感想です。

 

 ……よりによってこんな深い沼にドボンするとは思わなかったので、困惑しつつも楽しい年末年始を過ごしましたよ……まだ観てない作品はいっぱいあるんだけど、週末髑髏城の2回目を観に行くので、その前にアップしとく。ああ、楽しみだなあ。演劇っていいなあ。

 

  

髑髏城の七人Season月【下弦の月】を観に行ってきた

更新するの何年ぶりかな…でも一応はてブロ生きてますっていうことで。というかツイートが異常に多かったのでこちらに移した。

以下、ツイートまとめ&追加+ネタバレ感想です。ネタバレ前にスペース入れますが、ツイートまとめの時点でネタに軽く触れているので、ネタバレアウトな方は全てスルーして下さい。
ネタバレ感想は戯曲読んだ上での記述です。

その前に。

以下は個人の感想です、というのと、前提条件として、正直なところ鈴木拡樹が新感線の舞台に立つということで劇場行きを決めました(ゲキシネはちょこちょこ観てる。これまで劇場に行かなかった理由はツイートまとめ参照)。
なので冷静さは欠片もないです。あらかじめ宣言しておきます。

ここからツイートまとめ。


ということで髑髏城の七人Season月〈下弦の月〉12/4マチネを観てきました。
実は劇団☆新感線の舞台を生で観るのは初めて(ゲキシネはちょいちょい観てる)なので極々初心者視点の感想ですが。

まず羽野晶紀サイコーかな…めちゃくちゃ可愛くてキュートで切なくて強かった…。素敵…。愛あふれる太夫でした。
彼女のどっしり構えた感じと井上喜久子17歳感サイコー。極楽ママにオギャりたい。

主演の宮野真守は、がなろうが囁こうが息を荒らげようが徹頭徹尾台詞の聞こえと滑舌が良くて、4時間全部の台詞が綺麗に聞き取れました。
すげートップ声優本当に凄え。
本当にいい声だった。
フィジカルな部分はこれから進化してくと思うので。
でも言葉一つで全ての感情が伝わる技術よ。
そりゃあ新しい銀英伝でラインハルト演るよねっていうテクニカルさを存分に堪能しました。
酸いも甘いも噛み分けた熱い捨之介はカッコ良かった。

そして対になる松岡広大くんの霧丸(これまでは沙霧で女の子だったけど)がまた動けるしぴょんぴょんしてるし元気だし熱いしで兄弟みたいにかわいい。さすがNARUTOの主役。捨といいバディ感。

で、兵庫達、渡京と無界屋の遊女の面々が賑やかしを担っててとっても楽しかった。突然のララランド的登場とかもだし。
それだけに二幕の展開に「うわああああ」ってなったのですが。
兵庫のあの人も凄く良かったなあ。
狸穴様も貫禄があって素敵で、それだけにおきりとのエピソードが悲しかった…。
羽野晶紀の絶叫に涙。

次に、廣瀬智紀の蘭兵衛がですね、一幕と二幕のギャップが凄くて、一幕の儚さからの二幕のぶっ飛ばし加減が熱かった。
二幕中盤までの熱量とグルーヴ感は蘭兵衛と霧丸がいい形で作ってた気がする。
一幕で不安そうな太夫をハグしてた色男が、おおおおお?! みたいな。
二幕で「楽しいなあ!!」って笑みを浮かべる蘭兵衛は凄惨な美しさがあって、凄まじいシーンなんだけど思わず見入ってしまった。殺陣は時々剣が軽く見えちゃうことがあるんだけど、場数踏みまくってるだけあって自分の見せ方見せどころをよくわかってていいなあと。張るときの声がなかなかに艶っぽかった。

で、鈴木拡樹天魔王なんですが。
いやもうしょっぱなから圧倒的ラスボス感と、裏に隠し持った狡い小物感とのミクスチャーが絶妙で、でもその奥にある存在への執着が見えて来たときのグッと来る感じが素晴らしくて。
出てきた瞬間に場の空気を支配するのを実感した。
凄い。マジ凄い。
天魔王、宮野捨と別ベクトルで声がいい。
まるで歌うように高低と強い甘い声音を使い分けていて、これは確かに人心を手玉に取るよなと納得しきり。
最初に蘭兵衛と対峙するシーンで昔の名前を呼ぶんだけど、その一瞬だけフッと柔らかい響きになるのを見て「メフィストフェレスだ」と。
無敵の鎧で全身を覆っているんだけど、そこから剥き出しの自分を曝け出された瞬間の惨めさは物凄くて、体格まで考慮してのキャスティングなんだなあとしみじみした…あれは凄い…。
圧倒的に強くて賢いんだけど狡くて小物で昔を引きずった天魔王。
でも、ラスト、あれ生きてるよねって思った…。
それくらい狡い。
こちらも仮面をつけて発声したり凄い低音で声を張ったりするシーンがあるのに、物凄く台詞が聞き取りやすいのと、後方寄り中央の席で観たんだけど、それでもわかる表情の付け方が圧巻だった。
メフィストフェレスでもあるんだけど、メイクも相まってヒース・レジャージョーカーを思い出したなあ。蘭兵衛を笑顔で引き摺り下ろす雰囲気が。

殺陣については役柄的に普段より随分抑え気味だったけど、どっしり重い感じのもいいなあ。
本当はタイチサオトメとガチでやって欲しかったんだけどチーム違いで同じ役ってよく考えなくてもすげーな?! と思うので贅沢は言わない…。
そしてマントばさーがカッコ良かった…やべえ…(語彙力)。

とにかくいいものを観た…凄いエンタメだった…もう一回観たいからボーナス出たら使い道考えて行けそうなら後期も行きたい…なんなら上弦も行きたい…彼らがどう完成させるのか見届けたい…。

前回の風髑髏をライビュで観てからの今回満を持して会場だったんですが、捨天一人二役のときにはなかった天魔王の掘り下げがとてもいい感じで、他の髑髏城も観たいなあ。
そしてステアラの機構自体の凄さは一度経験して欲しい気がする。座席が詰まりすぎてて前の人の頭で舞台に死角が出来るのが難点ではあるんだけど。

ずっとストプレメインで観てた私が2.5次元舞台を観るきっかけになったのがペダステの鈴木拡樹・廣瀬智紀が二人揃ってる多分最後の回だったので、「髑髏城の七人」の二番手三番手としてスタオベに応える姿は色々感慨深かった…貴方達がステアラまで私を連れて来てくれたんだよ…。

余談だけど、舞台終わってお茶してた時、隣に座っていたのが中国から髑髏城下弦を観に来た二人組で。
刀ステの三日月宗近で鈴木拡樹氏のファンになって、ずっと円盤でしか演技を観られなかったんだけど、今回髑髏城を観るために初めて日本に来たというお話を伺いました。
生の演技を観られて本当に嬉しそうでした。
彼女達の夢が叶って良かった。
そして日本語とても上手でした。凄いなあ。


総括としては、いやマジヒロキスズキすげーわ…今思い出すの天魔王のシーンばっかりだ…なんだこれなんだこれ。

刀ステ虚伝の再演を観に行ったときに、鈴木拡樹の三日月のシーンの存在感が圧倒的過ぎて、「今のこの人に2.5の舞台はもしかして窮屈なんじゃないだろうか」と思ってからしばらく経っての髑髏城、しかも天魔王役の発表だったから本当に楽しみにしてたんだけど、軽々とハードル越えて行ったよ…。
でもつくづく板の上に生きる人だなあと思った。天魔王の存在感素晴らしかった。ライビュがあると思うので地方の方も是非観て欲しいなあ。

実を言うと新感線作品に関しては愛憎半ばするところがあって、正直本当にキツくてゲキシネ途中で席を立とうか本当に悩んだ作品もあったりするので、自分に合わなかったときのダメージを考えると生の観劇にずっと躊躇してたんですよ。
醜女をいじって物語が進むパターンが実はかなり苦手で…(髑髏城もそれがあるので風観た時にちょっとビクビクしてた)。
でもそれを補って自分の中で100000点くらい加点するくらい好きな蛮幽鬼っつー作品があるもんだから、これまで劇場に行かずゲキシネ中心だったんだわ…でもやっぱり生で観るといいなあ…。
あと、もし蛮幽鬼の再演があるなら、鈴木拡樹にサジをやって欲しいんだよ…いやなんとなく堺雅人みあるよなあと思うので。笑顔の暗殺者サジが好き過ぎるんだわ。

髑髏城に関しては比較対象が風しかないから(昔ゲキシネで観た気もするけど記憶が曖昧)なんともだけど、どっちも違ってどっちもいいね!
生瀬さんの風狸穴様大好きです!!


そして鈴木氏、こないだのマイク外れるアクシデントの時の対応ツイを見て、2.5Dステの地方公演ってキャパ1000人↑クラスのハコでやることが割とあるから、マイク持って殺陣やったっていうのは音響の限界を把握しているが故なんだろうなあと。こういうのも場数だしね。


以下、ネタバレ感想とか追記とか。










戯曲とパンフレットを読んだんですが、マジで紅天女の試演だよなあ月髑髏。
役者の皆さんは物凄いプレッシャーだと思いますが、良いお芝居だと思うので最後までやり遂げて欲しい。
あと、戯曲と本番で一番変化しているのは捨天対決のオチだと思うんですが、あのやるせなさは凄まじい…でも下弦の天は生き延びて、戯曲エピローグのエピソードに関わっていそうな強かさが最後まで感じられたなあと。
ただ、求めてやまない信長に一番執着していて、それ故に蘭丸を信長の姿で陥れる天魔王は狡猾なんだけれどどこか悲しかった。
もしかしたらそれを捨之介は、腹を割って昔と同じ姿で話し合うことで天魔王を満たしたかったのかもしれないけれど、その考えが逆に天魔王を追い詰めた訳で。
その残酷さも含めて、ラストに向けての展開がとても好きです。
月とは天魔王のことを指すんだろうなあ。
太陽の光を反射することでしか輝けないもの。
それほどに太陽=信長への愛と執着は強かったんだろうと。
そして実のところ風を観た段階では蘭兵衛→蘭丸の変節の理由がいまいちしっくり来なくて、夢見酒でトリップしてるのも理由としては大きいのかなと思っていたんだけど。
月はその辺の脚本周りが丁寧だったので腑に落ちました。なるほど。
でも、蘭丸が信長と同じような振る舞いに及ぶ瞬間、天魔王は信長が蘭丸を愛した理由を理解して敗北感に打ちのめされたんでは、というのを感じた二幕の無界屋襲撃。
「楽しいなあ!」と笑う蘭丸は信長そのものだったんじゃないかと思うんだよなあ。

しかし一晩経って思い返すのは天魔王のことばかりで、自分でもびっくり。

ツイートまとめには強烈な存在感のことを書きましたが、逆に、大人数の殺陣で他のキャラクターにスポットが当たるときは、びっくりするくらい存在感が薄くなる=舞台上での自分の存在感をコントロールしてるんだろうなあと。
下弦はそれぞれの存在感が調和しているなーと思ったし捨天蘭のバランスが非常に良いなあと思ったんですが、二番手として主役を立て、出過ぎず、だからといって引き過ぎず、ガツンと出るときは出る、そういうバランスを鈴木拡樹氏が作ってた気がする。
どうなのよ座長経験豊富な32歳2.5次元舞台のキング…。

自分が座長ならばおそらくもっと前に出てくるのかもしれないけど、天魔王はあくまでも捨と対の存在として下弦では進行しそうな気もする。
はっちゃけた姿も見てみたい気はするけど、それはおそらく上弦でやることなんだろうなあと。
でも、ラストの方でどんな進化をしているか見守りたいなあ。素晴らしかった。
役者鈴木拡樹の今後が本当に楽しみです。あの技量はもっと誇っていいと思うよ!!

本当にいいものを観ました。出来ればもう一度観たいし上弦もライビュも観たいなあ。
幸せな4時間でした。ありがとう。

(一部誤字修正&蛮幽鬼の辺りを追記しました。蒼の乱も好きです)

幻のシックスマンと開闢の帝王

しばらくまともにはてダの更新をしていなかったのですが、せっかくなのでこの際はてブロに引っ越してみるのもアリかな、と思って開設してみました。

はてダはツイートログ置き場としてそのままにしておくつもりですが、こちらは長文を書きたくなった時に投下する場所にしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

…ということで。

あまりツイッターで呟いていなかったのですが、実はこの2年近く、黒バスに割とどっぷりハマっておりまして。

タイバニと並行して2ジャンルあっちこっちするという忙しい日々を送っていました。

 

その黒子のバスケが、ついに本誌でウィンターカップ決勝の結末の日を迎えました…が。

これまでずっと考えないようにしていたスラムダンクとの関係について考えざるを得なくなった気がするので、忘備録として個人的感想を以下に。

 

ジャンプ本誌及び試合結果に関するネタバレがありますので、ご了承の上お進み下さい。

 

また、以下の文章の前提として述べておきますと、

井上雄彦作品はカメレオンジェイルの時から本誌で読む→スラムダンクも1話~最終回までジャンプで完走、コミックも揃える

●黒バスについては読み始めたのは20巻が出た辺り、ハマってからは本誌を追っかけるようになり、今回リアタイで読了

●どちらもハマって二次創作にも手を突っ込む

ということで、どちらが良いか、という事について語る気は全くありません。どっちも好きなので。あくまでも雑感として受け取っていただけると。

 

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