気がついたら平成最後の冬が暮れようとしていますが、11月の観劇記録を今更書いてます。
ということで。
実は「ハイステ」に関しては2作目から全部劇場で観ていたんですが、今回烏野高校キャスト卒業ということで、最後まで見届けようと車で広島へ。
……と思ったら、出発前に車のタイヤがパンクして肝が冷えました。ありがとうスペアタイヤ。ありがとう助けてくれたガススタのおじちゃん。
以下敬称略。
原作についてはコミックで追っていて、流れとしては頭に入っているんだけど、ハイステは演劇としてのアレンジを入れつつの展開以上に、とにかく試合シーンが大好きで。
個人的に、スポーツものは2.5次元舞台の華であり、商業演劇としての強みでもあり、その最たるものがジャンプ漫画原作の舞台化だと思っているんですが、ジャンプ生まれの「テニミュ」と違って、ハイステはダンスはあってもミュージカルじゃないんですよね。ストレートプレイの文法で、和田俊輔さんの各学校ごとに曲調が見事に違う楽曲に合わせたダンスショー的な要素も持ちつつ、「バレーの試合」描写に全力をかける若手キャスト達の姿を観るのはとても楽しくて。
キャリアとしてはベテランの部類に入る須賀健太座長のもと、何度かメンバーの入れ替わりもありつつ、毎回引き締まった試合を見せてくれる烏野高校キャストが大好きでした。
色々感慨深くて言葉にならないんだけど、観ていて特に印象に残っている烏野キャストは、橋本祥平の西谷、木村達成の影山、そして公演を重ねるごとに存在感を一気に増した小坂涼太郎の月山。いや、みんな好きなんだけどね。要所要所できちんと締める須賀翔陽の周りで光るキャストはとてもキラキラしていて、おそらく体力の限界までやっているであろう試合の臨場感も相まって、毎度泣かされて。
特に今回、烏養監督の「下を向くんじゃねぇ バレーは常に上を向くスポーツだ」が聞けたので、そこではぼろっぼろでした。ここまでたどり着いたんだなあ。
特に今回、音楽の和田さんがもうひとりのキャストとして舞台裏に控えていたこともあって、役者の動きと音楽が半端ないシンクロ率でピタっと合ってたんですよね。生演奏に合わせて動くシーンの臨場感は素晴らしかった。でも歌で表現するわけじゃないところが、ハイステのハイステらしさなんだろうなと。
烏野高校キャストと戦う青葉城西、白鳥沢学園のメインキャストもずっと継続してくれたから、これまで作り上げられてきたハイステの世界を維持しつつ、熱い試合を展開してくれて良かったなあ。
ハイステの好きなところに、試合終了後、敗北チームが観客席に礼をして、観客が拍手を送るっていう一連の流れがあって。
長く続くシリーズだから出来た慣例だと思うんだけど、ここまで到達したことにも胸熱でした。
そして須賀健太ですよ。誰よりも華やかで泥臭い日向翔陽は、たとえ舞台の端にいようと、つい視線を向けてしまう強烈な存在感が常にあったんだけど、今回は本当に観ているこちらの胸が痛くなるような体力ギリギリの演技が要求されたと思うので、祈るような気持ちだったなあ。素晴らしかった。毎回宙乗りがあるんだけど、演劇的表現としてとても好きです。
とりとめなくなってしまったけど、やっぱり烏野高校キャスト卒業は正直寂しいです。でも、キャスト変更の次に紡がれる物語で、どんな彼らが観られるのかが楽しみでもあるので、今後の展開も期待してます。
余談ですが、今回、なんの偶然か、最上手の前から2番目の座席でした。今年髑髏に続いて2回目ですよ……最後の最後ですごい席が来たなあ。間近で観た彼らは、どうしようもなく愛しいバレーボール馬鹿達でした。本当にありがとう。