ゆうきさらのほんよみにっき@はてブロ

はてなダイアリーから引っ越しました。ゆうきさらが読んだり見たりしたものを気ままにつづります。

髑髏城の七人Season月【上弦&下弦LV】と【下弦の月】3回目を観に行ってきた

1月13日に2回目を観たあと、23日と24日の上弦下弦ソワレLVと、2/5の下弦をステアラで観てきた。以下敬称略。そしてネタバレしかないので要注意。

 

上弦はステアラのチケットを何度応募してもダメだったんだけど、LVでようやく私の月が満月になった……これで一安心。

で、風・月上弦(LV)、月下弦(会場とLV)ははっきり観てきたと言えるんだけど(ゲキシネで観たのは何か覚えてない……)、結論としては「みんなちがってみんないい」だなあと。向井理の蘭兵衛も好きやで。脚本の構成がシンプルな一人二役版もいいなあ。

上弦に関しては、「顔がいい……」とひたすら画面を見つめてた気がする。顔がいいって物凄い武器だと思うし、だからこそ映像で観て良かったなあと。あと、各役者の個性を出すことで見せ場をガンガン繋いでいくのに物凄く新感線ぽさを感じた。

早乙女天魔王は流石の所作と殺陣でした。若いのに凄いなあ。

個人的に印象が強かったのは須賀健太の兵庫。最後の太夫とのシーンはとっても可愛らしかったよ……年の差を若さで乗り越えようとする強さ最高だったなあ。

あと、上弦は全体的にどこかダークな空気が消えないのと、蘭兵衛が思ったよりもゴリラな雰囲気があって楽しかった(ほめてる)。いやどうしても下弦ベースになっちゃうもんですみません……。

私が上弦をこれ以上語るのは野暮な気がするので止めとくけど、上弦下弦どちらも、将来有望な役者さん達が揃っていると思うので、どうか色々な場所で満月を見せて欲しい。

 

さて、下弦感想。

LVと2/5の間が2週間程しかなかったんだけど、かなり変化があったように感じたのと、何より2/5がまさかの実質最前列で役者さんたちの表情がオペラグラス全くなしで観られるという、チケット運を全部使い果たしたかのような席だったので一緒に語っておく。

12/4の公演後にどうしてもリピートしたくて戻りチケットを取ったんだけど、まさかこんな席が来るとは思わなかったよ……ステアラちゃんがお恵みをくれた…一番端だったから死角になる箇所はあったんだけど、塩素の匂いはするし役者さん達が武器を振れば風が吹くしなんなら舞台が揺れるのも伝わるしで目を白黒させながら観てた。

yuuki-sara.hatenablog.com

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一応過去ログも貼っておきます。

 

 で、LVから。1/13の時には増えてたアドリブが、LVだというのにさらに好き放題やってる感じになってて、一幕の間は大丈夫かこれ、と爆笑しながら観てたんだけども。

 鈴木天魔王が時折軽さを出しつつ締めるところを締めていて、二幕頭の口説きのシーンがとにかく圧巻だった。

 そして廣瀬蘭兵衛が無界屋を離れるときに微笑んで一礼したりとか、蘭丸覚醒してから、殿の骨をしゃぶってたりとか、自分の顔を刀に映して紅を引いたりとか、観たかったシーンを大体抜いてくれていて、大変眼福でしたよ……。あれ、蘭兵衛ばっかりだ。おかしいなあ。いやまあ舞台観てるときは天魔王に視線が行っちゃうんだよ(言い訳)

時々カメラワークがバタついてるなっていう部分もあったけど、いずれうまく編集されて、ゲキシネやDVDになってくれることを期待しつつ。

 あと、天魔王が「天は私のものだ」と言ったあとに投げキッスするところな……。よく抜いてくれたよ……。

ソワレ蘭丸はラストで唇からも血を流していたんだけど(倒れたときに切ったのかな……)太夫が息を引き取った後に掌だけでなく唇も拭ってあげていて、そこで号泣してしまった……実はそれまで、髑髏城という演目でガチ泣きした事がなくて。むせび泣いたことはあったんだけども。しかもリピート鑑賞している演目で。自分の心の動きにもびっくりした。

 そして、常に下弦のど真ん中には宮野捨之介がしっかり立っていて、けれども一人で立っているのではなくて、常に誰かとの関係性の中で他の誰かが浮き上がってくるという不思議な連帯感があって、とても安心して観ていられるなあと実感したのがこの時。

遠慮なく笑って泣いて楽しんで、「ああ、いいお芝居を観た!」といい気分で会場を後に出来る作品なんだな、と。

 

 そんな信頼感のようなものを持って挑んだ2/5。結論から言うとLVからさらに進化と深化をしていて、正直びっくりしたし、最後まで全公演観られないことが悔しい、と改めて思った。

 2/5公演で印象が強かったのは伊達渡京。立ってるだけ喋ってるだけで面白いどういうことだ……?! これまでも面白かったんだけど、印象の強さが違ったし、二幕で霧丸と組んで剣布をだます展開が、霧丸の棒読み具合も相まっておかしいのなんの。

 そして、現在の捨之介、蘭兵衛、天魔王から、8年前の、さらに言うともっと過去の三人と、それを繋いでいた織田信長が見えてくるという不思議な感覚に陥り。

 

 二幕で「天は私のものだ!」と断言し投げキッスを送る鈴木天魔王は、実は織田信長のマントにすら触れることが出来なかったのではないのか、とそのとき初めて思ったんだよね。

 深い深い孤独。狂気に満ちた崇拝。それは人間に対してのものというより神を崇めるようなものではないのか、というのを12月に観たときから考えていたんだけど、投げキッスって直接キスが出来ないからこそ送るものでもあるから……。

 

 以下個別感想。正直舞台が近すぎて正気を保てなかったので、死者の繰り言だと思ってくれ。

 

宮野捨之介ーマイクオフの声が物凄くはっきり聴こえてきたんだけど、まあよく喋るし他の役者さんの台詞や行動にきっちり反応していて、舞台のライブ感はマモ捨だからこそなんだな、と改めて。表情もくるくる変わるし、板の上に立っていてとても楽しそう。

 兵庫の日替わりアドリブ「ズラしまたろう」をガンテツルームで拾って、贋鉄斎が「あっはっは!」と笑ったもんだからこっちの腹筋も崩壊してしまった。

 かと思えば、二幕後半の捨天対決のとき、天魔王を止めきれずに縮こまって慟哭する様子があまりにも痛々しくて、そして後半になればなるほど息が荒くなる、苦しそうに喘ぐのに台詞はきちんと耳に入るというトップ声優の妙技を堪能。

 本当に凄い声の演技だと思う。宮野捨之介の最大の武器は感情が余すところなく全て詰まった声だと個人的には思っているので、それがさらに研ぎ澄まされているのに目を見張った。

 実のところ、宮野さんのアニメでのデビュー2作めの「WOLF'S RAIN」をリアタイで見て「ふーん、声優デビューしたばっかりなのか」なんて思っていたんだけど、今こうして、舞台で主役をやってる宮野さんを観ることになると思わなかったから不思議な感じ。

 殺陣も大きな身体を活かしたダイナミックなものになっていて、魅せ方をよくわかってるんだなあと。もう一つの武器である歌を今回の舞台では封印しているから、機会があればミュージカルでも観てみたい。でもマモ捨好きだよ……飄々としてどこも痛くなさそうなフリをしているのに実は脆いマモ捨本当にいいよ……。翳った太陽を支える松岡霧丸がまたいいんだよ……。

 

松岡霧丸ー捨之介と対で書いた方がいい気がしたのでここに。喜怒哀楽のはっきりした元気な役どころは変わらず、捨之介だけでなく他の登場人物との関係性が深まって、ラストにシルエットで見せる「髑髏城の七人」の縁を繋ぐ存在としての強さを見た。そして元気だしめちゃくちゃ動きが機敏。スケボーで移動しているところがとてもカッコよかった。

 そして髑髏城脱出のときに、ボロボロの捨之介を支えて、ずっと肩を組んで戦って、さらに崩折れた捨之介を軽く抱き寄せて元気づけるシーンがとにかく男前で、下弦は復讐心に囚われた少年の成長譚としても味わい深い……。とにかくまっすぐで、捨之介に降りかかる死の影を追い払えるのはこの子しかいないっていう説得力が凄い。沙霧という女の子から霧丸という男の子に変更された理由が見えるというか、月の百人斬りは捨之介ー霧丸ー贋鉄斎のコンビネーションが最高なので、少年漫画の主人公ド真ん中の霧丸はとても気持ちいい。

 松岡くんがまだ20歳なのも衝撃的だし、ナルトでは海外公演も経験してたと思うから、経験値としては十分過ぎるくらい積んでるんだよねえ。将来超有望だなあ。

 

廣瀬蘭兵衛ーとても優しい、優しいが故に太夫の広い愛に自分の情を重ねて生きて、でも信長への愛を忘れられなかった人なのだな、と思う。

 一幕の無界屋はまるで楽園のようで、太夫と二人並んで楽しそうに喋っている姿は仲睦まじくて。遊女とハイタッチしているのもかわいかった……。兵庫が割って入ろうとして失敗したりもしていたけれど、マイクオフで二人で話している姿があまりにも尊くて眩しかっただけに、二幕の無界屋襲撃は、自分が逃げ帰る楽園を壊して退路を断つための儀式のようなものだったのかな、と。

天魔王に口説き落とされて美しさを増す瞬間にゾッとした。凄かった。

 低くドスの効いた声を出す場面が増えていて、儚さは薄れたのだけど、その代わりに一幕でとても楽しそうにニコニコと微笑むから、蘭兵衛として確かに無界屋を愛していたはずなのに、と二幕で「なんでそうなった!」と絶叫する太夫に同調してしまう……。

 でも、愛しているから壊したくなる人なのかもしれないなあと。

 そして、捨之介とはそれなりにいい関係を築いてきたんだろうな、というのが、捨之介→蘭兵衛への頭ナデナデ、以外にもちょこちょこと二人のやり取りから見えて、余計二幕がしんどかったよ……。そりゃあ捨之介、兄弟みたいにかわいがってた蘭兵衛にいきなり襲われたら身体以上に心が辛いよねえ……。

 友人が反対側の端から観ていたんだけど、無界屋襲撃のシーンで「蘭丸がとても哀しい目をしているのに口元は楽しそうに笑っていて、観ていてゾッとした」と言っていて、それ超観たかった……!

 あと、殺陣が素晴らしかった。物凄く綺麗だった。目を開けたまま事切れて、捨之介が目を閉じさせてやるシーン大好きだよ……。太夫が拭ってくれた手は血が取れただろうかと思いながら泣いてしまった。

 

はい、飛ばしてる人がいるけど、長くなるのでラストに持ってくるよ!

 

羽野太夫ー大好き。下弦の要だと思う。この人が可愛らしくてかっこよくて強くて弱くて素敵だからっていうのも、私が下弦を好きな理由の一つで。霧丸に対しては母親のように、蘭兵衛に対しては妻のように。捨之介に対しては太夫らしく接して、兵庫に対しては友人以上恋人未満の上手い距離感を保っていて、というバランスが、二幕で崩れてしまってからの絶望の演技が凄まじくて。

 無界屋襲撃のときに、みんなが事切れた後くらいからずっと泣いていて、でも必死で抵抗しようとする姿は美しかった。そして二幕の兵庫に守られるシーンで、兵庫と手をつなぐのがとても尊い……私は太夫には何があっても幸せになって欲しいよ……兵庫全力で幸せにしてやれよ……。

 ラストの場面で、霧丸が太夫に「ありがとう」っていうのがとても好き。二人でハグするのも、互いに大切な人達を喪ったけれど、それでも新しく大切な人を手に入れた同志がする激励のようで。

 羽野さん本格復帰舞台を観ることが出来て良かった。

 

木村兵庫ーとっても安定感と侠気があって、台詞回しも軽妙で、かと思えばアドリブで大やけどしてマモ捨と二人でガッタガタになっていたりで、最高のアニキ。荒武者隊(荒武者隊の日替わり歌は「むっかっいのさとだね~♪(プリンセスプリンセス・DIAMOND)」)と一蓮托生だったのが、太夫と同じように大切な人たちを喪って、改めて太夫と同じステージに立ったときに、二人の関係性も変わっていくっていうポジションの変化も含め素敵だった。一幕のペースメーカーはまさに兵庫だなあと。一幕二幕どちらとも、おっとういん平さんとの掛け合いが最高オブ最高で、おっとうの謎ヨガっぽいダンスからの日替わりは毎回ネタ考えるの大変だったと思います……。あとちょっと頑張って……!

 太夫へのプロポーズ毎回泣くんですが、今回はおっとうとの掛け合いのシーンが目の前だったので、そこで既に泣いてしまった……おっとうの服、荒武者隊の服をかき集めてるんだよねえ……。

 

伊達渡京ーあのー、近くで観るとめちゃくちゃイケメンなんですが! いや基本イケメンしかいないけど!! 一輪車すごい勢いで漕いでたよ!

 存在してるだけで面白いのズルい!! 好き!!

渡京さんは日替わりがあんまりないから、今からぶっ込まれるんじゃないかとヒヤヒヤしてるんだけど、剣布ちゃんとのシーンでの「吐け(刷毛)ー」に今更気がつきました。ダジャレだったのか。

 

中村贋鉄斎ー一幕一番の尺取り&笑いどころ。前期と比べてランタイムが10分くらい増えてるんだけど、面白いから仕方ない(笑)

 マモ捨との掛け合いが最高に面白いんだけど、特に面白いことを言ってるわけじゃなくて、マモ捨が何気なく「ボソッ」と言ったことに二人も客席も耐えきれなくなって爆笑する感じがあるなあ。いや中村さんも面白いし、生駒ちゃんの潔癖症日替わり(この日は「この際だから言わせて下さい、ポンジュースのプルタブが缶の中に入ってジュースに浸かるの無理、考えたのアメリカ人?」→贋鉄斎丸無視。そしてポンジュースのある髑髏城とは)も最高なんだけど。

 でも二幕に入ってからのシリアス展開がとても良いし、中村まことさんいい声してるんですよね……。猫ホテも観に行きたいなあ。阿佐スパも観てみたい……。

 

 鈴木天魔王ーさて、トリです。長いです。

 12月、1月、2月と観てきて、表層での変化はあれど、安定感が凄まじかった。捨之介と蘭兵衛が変わるにつれて対応する演技は変わるんだけど(例えばラストの捨天対決での表情の深まり方だったり、蘭兵衛の芝居が重くなるにつれて天魔王の口調が軽くなっていったり)あくまで三人のイメージが重ならず、対照的になるように、という方向での変化だった気がする。メイン三人のバランスを終始考えていたイメージがあるんだけど、かといって本人の演技がおろそかになるのではなく、胸に刺さる具合は観る度に深くなっていってた。

2/5は冒頭シーンから呑まれて、一幕の途中あたりで、捨之介達に抱く自分の感情を振り返り、「あれ、自分、もしかして今、天魔王の気持ちに同調してるのか……?」と気がついてびっくりしたくらい。一幕は冒頭と途中のシーンしか登場しないからまだそうでもないんだけど、二幕の口説きのシーンあたりから、正直台詞に呑み込まれるというか、蘭兵衛が蘭丸に堕ちてしまうその瞬間に同調させられるような、暴力的なまでの引力があって。蘭兵衛に対しては最初、軽妙な口調で髑髏城の現況を説明するんだけど、そこから信長のことを引いて蘭兵衛を口説き落とす様子に、蘭兵衛と同じように「やめろ……やめてくれ……」と心の中で呟いていた気がする。

 とにかく、登場すると、その場の他の登場人物にはない異物感というか、異質な存在感にぞくりとして、けれども目が離せなくなるという。

 そういやこれ舞台刀剣乱舞を一番最初に会場で観た時にも同じ思いをしたわ……。

 だからといって自分だけ目立とうとは一切していないというか、むしろスポット来ていないときに気配を隠す感じは、前期に観たときよりもはっきりしていたと思う。他の人物に目線を誘導するような動きもあるのかもしれないなあ。だからといって演技が消えるのではなく、舞台の上では常に天魔王としてそこにあるんだけども。

 LVからずっと表情が観られる状態だったんだけど、とにかくまばたきをしない。ずっと目を見開いてる。視線を落とすときにはまばたきをするんだけど、顔を上げて、カッと見開いた目に睨みつけられると身体が竦むっていうのを初めて経験した。

 あと、表情がとても歪。そして、捨之介や蘭兵衛が「仲間」という度に嫌そうな表情を浮かべるのは、きっと面白くなかったからなのだろうと。

 八年間、天魔王はきっと真面目に努力を重ねて今の地位にあったのだろうけど、蘭兵衛に髑髏城を任せようとし、捨之介を天魔王の身代わりにしようとした彼は、天魔王であることを「捨之介」のように捨てたかったのかもしれない、と思い。下弦では天魔王は蘭兵衛の目を斬るんだけど、それも、蘭兵衛の目に(記憶に)残った自分の姿を消したいという願望があるからなのかな、とか。

 マイクオフの鈴木天魔王が、「捨之介……捨之介……!」と昔の「地の男」ではなく、捨之介が自らに与えた名前を呼び続ける、それは羨ましさと表裏だったのかもしれない。

 そして焦がれた天はとうの昔に落ちた。天魔王に部下はいても仲間はいない。蘭丸は自ら仲間を殺し、蘭丸自身も斃れ、意趣返しは出来たかもしれないけれど、蘭丸に庇われたことで心にヒビが入り、最終的に捨之介に鎧を剥がされ追い詰められるその姿は、自らが招いたこととはいえあまりにも惨めで、憐れで、だからこそ、天魔王は捨之介が一旦引いた刃で、とても衝撃を受けたような、悲しさすら感じる表情を浮かべたあと、強引に自らを貫いて、「偽物の天」すら止めようとした捨之介への意趣返しをしたのかもしれない、と思わされ。

 

 退場のシーン、背後から光を浴びる中、天魔王の口元にどこか嘲るような笑みが浮かんでいるように見えて。もしかしたらそれは私の勘違いで、実は違うのかもしれないけれど、それを観られて本当に良かった。

 髑髏全部を観ていない私が言うのはアレなんだけど、その狡さや弱さ、滲み出る生真面目さやクレバーな部分を隠せない感じは、鈴木拡樹の天魔王なんじゃないかなあ。

 恐ろしくて、狡猾で、惨めで、小さい、けれど徹底的に悪の花として存在する鈴木天魔王は、私が観たかったヴィランの姿そのもので。

 同じことを繰り返してしまうけれど、鈴木天魔王を観ることが出来て、本当に良かった。天魔王としてキャスティングしてくれたことにただただ感謝しかない。

 

 あと、マモ捨と同じくらい、声の演技が素晴らしいんですよね。廣瀬蘭がドスを効かせるようになった時期と、鈴木天魔王が高めの声や少しコミカルな口調を入れるようになったのって同時なんじゃないかなと。下弦は終始どの人物も台詞が聞き取りやすいんだけど、声のトーンが重ならないというのも大きくて。

 実は宮野真守がアニメ版、鈴木拡樹が舞台版で同じキャスト(伏見猿比古)をつとめた舞台Kをチラッとだけ観たんだけど(まだ全部は観てないのでそのうち)、全部分じゃないにせよ、「鈴木拡樹が宮野真守の声帯で台詞言ってるぞ」って目を丸くすることがちょいちょいあって、その時に「宮野真守的な発声」は研究していると思うし、廣瀬智紀に関しては舞台弱虫ペダルで何度も共演しているから、おそらく意識的に差異を作っているんじゃないかなあと。

 舞台俳優に声の良さは必須だと思ってる人間なんだけど、鈴木拡樹はまさにそれを持っていると思うので、そこも武器としてこれから使っていくんだろうな。

 

 とりとめなくなってしまったけれど、下弦チームはまだこの段階でも更なる高みを目指していて、千秋楽に向けてめちゃくちゃ磨いていくだろうから、最終的にどんなものになるか見届けたかったなあ。

 素晴らしい作品をありがとう。この座組はもうすぐゴールを迎えるけれど、どうか最後まで怪我なく駆け抜けて欲しい。

 もっと書きたいことがあったはずなんだけど、思い出したら追記しよう。

そしてアンケートもちゃんと書いて郵送しよう……アンケート大事。