ゆうきさらのほんよみにっき@はてブロ

はてなダイアリーから引っ越しました。ゆうきさらが読んだり見たりしたものを気ままにつづります。

映画「カフカの東京絶望日記」を見てきた

 気がついたら3月だし世の中はコロナウィルス騒動で瀕死ですが、とりあえず私は仕事であっぷあっぷしつつも生きてます。みんな生き延びて落ち着いた暁には思う存分エンタメを浴びような…。

 

ということで、3月7日に舞台挨拶回に行ける予定だったのがコロナウィルスのry…な状況ではあったんですが、払い出したチケット代でカフカの東京絶望日記・劇場版を見てきました。

 

https://v-storage.bnarts.jp/kafka_drama/

 

アニメだと本編総集編を劇場で、っていうのはよくありますが、ドラマでは珍しいなと思いつつ、大画面で再編集版を見るとまた新しい発見があるし、何より音がいい…。音響のために映画館に映画を観に行く人間なので、細かい効果音が足されたりしているのも楽しみつつ、ずっとマスクの下でニヤニヤしてました。

 

何かと言えばネガティブ思考に陥ってしまって絶望するフランツ・カフカと個性的過ぎるくらい個性的な人たちが東京の下町に住んでいる不思議なショートドラマ集なんですが。

説明がうまく出来ないのでYoutube公式配信で1話見てください。

 

youtu.be

 映画でピックアップされていたのは、カッツェを拾う回、バーベキューに出かけて自殺志望の青年に会う回、婚活回、売れない地下ドルの回、ポジティブカフカに変身して波紋を呼ぶ回、など、でしたが。

 

 実は私、このシリーズがものすごく好きなんですね。カフカさんの絶望っぷりがあまりにもパワフルすぎて自分の悩みとかどうでも良くなるのと、カフカさんも周囲の人も、人に優しいというか、どんな人でも存在を否定しないところから関係性が始まっている辺りが。

 個人的には映画に入っていない、パン屋の同僚つぐみちゃんが女芸人コンビの相方をつとめる回も好きです。

 

 カフカさんの絶望は自分が無能であること一点に向かっていて、一切他人を攻撃しないし、嫁に逃げられたマスターや女装が趣味のパン屋の店長をはじめ、周囲が「まあカフカはそういう人だし」でスルーしつつ、ポジティブカフカ回では、みんながそんなカフカさんをなんだかんだ受け入れていることが提示されるんですよね。

 あと、ポジティブカフカ回でさり気なく織り込まれる父親との不和エピソードの重さが、その前の軽さと対象的で、長いエピソードも見てみたいなーと思いつつ。あと、ナツオの腹筋は私も拝みたい。

 親友のマックス・ブロートとの関係がこじれたまま終わってしまったので、どうか関係改善の2期をやってください。待ってるので…。こんな状況の中、もう一度映画に行くのはなかなかに困難なので、せめて円盤は買ってみた。

 

 今この時期、あちこちで舞台作品の上演が中止されていて。外に出てみれば街中はガラガラ、映画館もガラガラ、私も滅多にないマスクフル装備&こまめに手洗い消毒しつつ映画を観に行くという結構絶望的な状況の中、2週間限定のこの映画に元気をもらって帰ってきました。

 絶望する姿が吹き出しちゃうくらい元気なんですよね、カフカさん。絶望するのには気力も体力も使うし、実はとてつもなく健康なことなのかもしれないと思いつつ、地元に戻ってきました。

 

 この1月に「his」という映画の上映が始まって、個人的には2020年邦画ベスト(いや多分20年代邦画のベスト5に入ると思うまだ始まったばっかりだけど)くらいの勢いの作品なんですが、カフカ脚本のアサダさんが脚本を書いている、っていうのも、観に行くきっかけの一つだったんですよね。

 私、最終回で号泣してしばらく立ち直れなかったくらい「ウゴウゴ・ルーガ」という伝説の子供番組が好きで(いや既に大きなお友だちだったけど見てたんだよ…)、アサダさんのお名前を「マリーの知っとこ! ジャポン」で拝見したときに、「あれ、ウゴウゴ・ルーガでお名前拝見したことあるぞ…?」という思わぬ再会があったんですが、マリーも子供番組なだけに、鈴木さんがEテレの拡樹お兄さんしていなかったら再会出来ていなかったし、カフカさんにもhisにも辿り着かなかったと思うので、鈴木さんにもアサダさんにも感謝だし、マリーちゃんもカフカさんも、あるいは別の作品でも、また組んでくれることを心から願ってます。

 

早く円盤届かないかなあ! 心が削られることが多いけども、エンタメは魂に栄養をくれるんだなと噛み締めました。どうか早く落ち着いてくれ…。